みんなは知らない3  GIGAスクールの裏で何があったか

納入の問題 「箱」の置き方問題

文科省から指定されて納入された「パソコン収納箱」
まず、どこに置く?から始まる。
置いた場所は、図面に残して文科省に報告しなければいけない。
納期は3回に分かれている。1回目では、全校人数の3分の一程度のPCしか納入が無い。だから収納箱も少ない。どこに置いたらよいだろう。
1年から順にとか、1階から順にとか単純には行かない。置いた場所について報告しなければいけないから、置いてから後から考える、というわけにもいかない。もちろん充電機能があるから、電源を確保しなくてはいけない。消防法があるから、廊下に物を置いていいかも分からない。今日室内に置くと予定黒板は隠れるわロッカーは隠れるわ狭くなるわで置けない。

電源は教室の前後にある。教室内に置くと思った以上に圧迫感がある。そのため、教室前側の廊下、または教室後ろ側の廊下に置くことにした。導線を考えて「個々に置かれると困るんだけど・・・」と嫌な顔をする先生もいた。置いた場所を個々は嫌だからと勝手に動かす先生もいた。しかしながら頭を下げながら一つひとつ場所を決めていった。

場所が決まっても、電源コードが届かない

電源延長コードが無い。そのため急遽購入。全学級分。また、電源差込口をを占有してしまうしそのままさしてしまうと子供が足を引っ掛けやすいので、電源からのL字に曲がる電源タップを全学級分購入。子供が足を引っ掛けないように教室の隅に這わせて設置をした。

電源をすべてつなぐとヒューズがとんでしまう事例が各地で起こる

全部のPCを充電開始してしまうと、その階の電気の限界を超えてしまうらしく、他の学校でヒューズが飛んで停電してしまう事例があるという情報が入ってきた。電気屋に確認をすると、電源容量を超えてしまうのは間違いないとのことだった。
これは、ICT支援員がすべての収容箱の充電時間をずらすことで対応することになった。
わが学校は最終退出者が校内すべての電源を落として帰校する慣わしだった。しかし、電源を落としてしまうと設定した「充電時間のずらし」がリセットされてしまうため、その慣わしも変更することとなった。

高学年を優先した。

配置計画としては、1回目の納品では、高学年は1クラス1つの収納箱、中学年は2クラスに1つの収容箱、低学年は学年に1つの収容箱、支援学級は後日配置、とした。

そして半年後、2回目の納入。中学年にも1クラス一つの収納箱を置く。空き教室もあるが、将来学級が入ることを見越しておくこととする。
そして3ヵ月後、最後の3回目の納入。低学年にも1クラス1つの収納箱を置く。
収納箱に記号を割り振る。


製品は1回目と同じではない。だから鍵も違う鍵がついている。備品番号もずれてくる。そのため、2回目の納入時に、1回目の納入時に配置した低学年用PCをすべて中学年学級(2クラスに1箱)になっていた部分に職員作業で移した。こうすることで、収納箱の備品番号が連続するようにした。また、中に納入されているPC番号も連番となるようにした。

ここで怠った学校は

多目的室にすべて収納箱を入れた学校もある。そうした学校では、毎回その部屋までパソコンをとりに行かなければ行けない状況が生まれた。
一度仕組みが施行されてしまうとそこから変更するには大変な労力が掛かる。

鍵の管理をどうするか 箱の鍵は納入時期によって違う

 鍵はすべて閉めよとの通達が来ている。人はこに4万×30個で120万近い製品が入っているのだから当然である。だれが?いつ?も決めなければいけない。
1回目の納入時点では、各学年の情報担当が朝開け、夕に閉める、という約束で運用をした。これは出版物にあった先行例を参考にした。

2回目の納入では、入札業者が違うためか収容箱の製品が違った。そのため、開けるための鍵も当然違う。後々大変面倒である。1回目納入品の鍵、2回目納入品の鍵をそれぞれつけたタグつきの鍵を作り、今度は各学級担任預かりとして配布した。

報告書の作成

学校の図面に、印をデジタル上でつけて、市教委へ提出をした。2回目納入の時点で、高学年中学年寄りにずらしたので、ずらした時点で再提出をした。

箱の番地を決める

箱に、上の階からA,B,C,D・・・と割振り、A4磁石シートに印刷して貼りつけた。
通し番号として空き教室も含めてつけた。
収納箱の車輪止めやミラキャスト、テレビにも、この機にその教室固有の番地としてのA,B,C,D・・・をシールとして貼りつけた。何年何組、という表示にしてしまうと毎年変更をしなくてはならない。そのために教室位置固有の番地とした。