知的に奪われてしまうことのメリットデメリット

状況

専門家の情報伝達手段が「書籍」だったころと比べて、

情報伝達手段が「動画」に移り変わっている
 例:授業動画・歴史動画・足が速くなるレクチャーの動画など
www.youtube.com

メリット

著者の伝えたいことがダイレクトに伝わる
著者とコンタクトが取れる
 →著者の考えを正しく知識を伝えやすい

すごくわかりやすい例   
www.youtube.com


 

デメリット

著者の内容を伝えてきていた中間が排除される
 →町のいち教師がため込んだ知識は、死ぬ。
  一つ一つ読んで解釈したり、研修に参加して伝達したり、そういう手間の排除
  目的達成のための間の余分な遊びの部分(一緒に学ぶ仲間が増えたり、合間に雑談したり)の排除

 →少数の勝者、独り勝ち状態…多くの知識伝達業の失業

 →まちのいち教師が担っていた責任が、すべて独り勝ちした者に集まる

 →著者でない者の誤解釈が入った動画が拡散すれば、修正が難しい


1回の洗いに何リットル使うか…2Lで洗えれば不要…「でもデータでは20リットルって言ってる!」「こっちが正しいよ!」
panasonic.jp


星の大きさ動画…いろいろ編集されて元ネタがどれか分からない…
www.bing.com


現状として、自分がこれまで20年ため込んできた広く浅い知識は、
それぞれの動画に奪われた。しかも動画の方が深い。
1日読書したり、1日研修に参加するのと比べ、
マトリックス」でデータを頭にインストールするぐらい革新的


例:源平合戦
 現地研修を重ねたとしても、
 動画で上げている人の深さにはかなわない。
youtu.be


 講習会・講演会に泊まりで時間をかけていってきて得てきた知識も、
 今は自宅で寝ころびながら得ることができる。
 
 広めたい人は、広めたい
 知識を得たい人は、得たい。

そこから先

  ・選択が多すぎると、選べない
提供されるものが多すぎて、手軽すぎて、得た知識が後に残らない
   または、そもそも選ぼうとしない
   どれが良いものかを選べない 判断基準がない
www.bing.com
www.bing.com

  ・動画では伝わらない「考え方」に気付くことができる目があるか
   目に見える技術には、背景に一貫した考え方がある。
   若いうちはそれに気づくことができなかった。
   世代によって、経験によって、後から気付くことができることがある。


例:動画を見た後に「それは違う」や「こう考える」「これのためにやっているから、これが良いと考える」と言えるか
www.bing.com

方策

 ・どの動画が良質か、体験に基づいて選ぶことができるコーディネータ
 ・全国区的な動画配信者ができない、地域に合った個別最適な動画


 ・地域の郷土歴史家の話、学校独自の行事のエピソードの話など、
  毎年文書によって伝達していた内容の動画での記録

 
 ・アナログ、口伝でしか伝わらないものをあえて体現して残すことで、
  その人自身がオリジナルな価値をもつ人となる

現状が3世代続けば、

 人は、何もリレーしていない「ただの生物・物体」としてのヒトでしかなくなる。
 知識を伝達し、継承している人という見方や考え方。
 それは「文字」や「映像」に置き換えることはできない。
 文字や映像に置き換えられないものが世の中にある、という考え方自体が
 受け入れられない世になるかもしれないが、
 演劇や、からだが語る言葉に学べば、文字で表せることなど本当に小さいことが分かる。

  怖いのは、「ただのヒト」となった人々が、
  他の人も皆自分と同じ「ただのヒト」でしかない、
  と思い込んでしまうこと。


  自分と他者は違うのだ、違う世界もあるのだという
  ことを知らない狭い視野の段階で、
  全国に影響を及ぼすようなことを起こしてしまいかねないこと。


  伝えるものやオリジナリティが無ければ空虚になり、
  生きる意味を失い自殺や虚無に追い込まれたり、
  

  様々な知識を集めて成長してきた人と
  何もしていない何も持たない人が同列と言葉だけでとらえたり。
  相手が「ただのヒト」ではないことが理解できなかったり。

金にはならない。

 多くの地方の教師・コーチ・父母がもつ知識伝達による、自己肯定感や
 人づてに金と時間とエピソードをかけて得てきたオリジナルの知識を
 蹂躙しながら、
 インターネットは知識を集め続ける。
togetter.com

GTPが奪う

 今は、出した人々独り勝ちの状況になっているが、
 いまに、その人々も見捨てられる。

 「解説してください」で、解説してくれる。
  精度は上がるが、嘘がある


  人の言ったことを信用しない世。

刺身を食べて、この魚は何か問う。

 これは、アジ? タイ?

 と言ったときに、他の人が言うことを信じるか、検索したことを信じるか。


 チャットGTPの回答も、人を上回る信用を得てしまうことになっていく。
 間違っていようとも。
 

 
メモメモ。